アメリカンエキスプレスのプラチナカードを取得してから、毎年「ヒルトン・グランド・バケーションズ」のDM(ダイレクトメール)が届くようになりました。
今回は、このDMについてお話したいと思います。
ヒルトン・グランド・バケーションズってなに?
ヒルトン・グランド・バケーションズ(HGV)とは、簡単に言うと「ホテル(コンドミニアム)を1年間に宿泊する日数分だけ購入する」ようなイメージです。タイムシェアとも言います。
日本だと車のカーシェアリングのような考え方をイメージするとわかりやすいかと思います。
ヒルトンの本社はアメリカなので、法規制はアメリカの法律に則ります。
先ほど「使う日数分だけ購入する」と紹介しましたが、実際は本当にホテル1室を1週間分購入します。
もちろん、物件を購入するので登記もされるそうです。
しかしここからが日本の法律と違うところ。
購入した日数分だけの登記がされます。ここが日本の法律では実現できない登記ですね。区分所有に時間の概念をプラスした登記という感じです。
この根拠は実際にタイムシェア法というアメリカ、フロリダの州法が存在します。
実際に購入したホテル1室も、自分がその部屋に泊まることはほとんどなく、購入した権利を使って、他のタイムシェアされているホテルへ宿泊する権利を得ることができます。旅行好きにとって、世界中のホテルへ宿泊できるチャンスを手に入れることができるので、とても魅力的なシステムですね。
HGVの説明会に参加
今回筆者に届いたDMは、このヒルトン・グランド・バケーションズ(HGV)についての説明会です。
そして、その説明会は参加特典として以下の2つを選ぶことができます。
- ヒルトン・ハワイ3泊+ヒルトン・ホテルズ&リゾーツお食事券2,000円
- ヒルトン・ホテルズ&リゾーツお食事券20,000円
説明会に参加するだけでヒルトン・ハワイ3泊、もしくはヒルトンお食事券をいただける、そんな絵に描いたような甘い罠に誘われて、説明会の申込をしましたので、説明会の体験記も含めて紹介します。
説明会の申込
説明会の申し込みはDMに書いてある通り、ネット経由で簡単に申込ができます。希望日時と場所をフォームに入力するだけで終了です。
ただし、この説明会には参加条件があります。
- 年齢20歳以上。
- 年収750万円以上(夫婦合算可)。
※リタイアされている場合は「持ち家」をご所有の方(ご夫婦で販売説明会参加に限ります) - 既婚の場合、ご夫婦同伴でバケーション・オーナーシップ販売説明会へのご参加
※独身の方もご参加いただけます。 - 約90分のバケーション・オーナーシップ販売説明会へのご参加。
- 過去1年間、特典付きバケーション・オーナーシップ販売説明会に参加されていない方 。
※オーナー様の場合、購入の決定ができる方で、過去3ヶ月以内に特典付きバケーション・オーナーシップ販売説明会に参加されていない、もしくは6ヶ月以内に購入されていない方。 - ヒルトン・ワールドワイド及び同系列企業の社員ではない方。
後日、日時の確定連絡は電話できますので、電話を取ることができる時間帯をきちんと指定しましょう。
電話が取れないとメールで送ってきますが、再度電話を催促されます。
参加意思の確認と日時を必ず固めたい訳ですね。
筆者はタイミング悪く数回の電話連絡が出来ず、メールでのやり取りで終わらすことが出来ましたが、本来は電話での確認が必須のようです。
説明会3日前
説明会の直前で、再度日程確認のメールがきます。
「この日時で大丈夫だよね?無理なら早めに言ってね。当日無理になっても電話連絡はきちんとしてね?」
みたいなメールがきます。
しつこい勧誘が苦手なので少々身構えてしまいますが、ハワイのホテル代GETのための思い、ここはグッとこらえました笑
…と思っていましたが、実は今年の予定がいっぱいになってしまい、ホテル宿泊券をもらっても行けない予感。。。
なので当初と目的が変わって当日は、「予約しちゃったから行こう」というテンションでの参加になりました。
いよいよ説明会当日
説明会は、ある程度の人数が集まった集団でおこなわれると思っていましたが、担当営業の個人ブースに隔離されてガッツリとお話を聞くスタイルでした。
ここでくどいくらいの確認メールの理由は、担当の営業が個別に説明するから無駄な時間を作らないためです。
そしてこのブースは営業担当個々に割り振られた空間で、自分自身の営業ツール(その方は家族写真や今までのお客様アンケートなど)をしっかりと準備してあって完全な個室ではありませんが、個人事務所のような印象です。
説明用に準備してあるインターネットブラウザのタブひとつから、購入プランを計算できるEXCELシートまで、今思えば全てがストーリー通りの説明でした。
個室での説明会。担当営業が強敵。
私たち夫婦についた担当の方は営業成績全国トップになられた経験もあるそうで、相当の役職(肩書)がついた担当者でした。
営業トークはもちろんのこと、途中に入れてくる小ネタから提案力まで全てが完璧で夢を買いたくなります。
ここで、今回説明を受けた内容を簡単に説明します。
- HGVとは、海外の別荘を使う権利を買うこと。
- HGVを購入した人をオーナーと呼ぶ。そしてオーナー専用の建物(リゾート)であるため、一般の人は立ち入ることができない。よって、繁忙期でもゆったりすることができる。
- 購入の単位は部屋の広さ(例えば1LDKや2LDKなど)を1年間に7泊する権利を購入する。当然、部屋が広くなれば高額になり、購入はポイントとして保有することになる。
- 購入したポイントの有効期限は1年間である。
- ホテルの価値(場所やグレード)によっても価格は変動する。また売り出されているホテルに対する部屋の残数によって価格が変動する。残数が少ないほど希少価値が上がり高額となる。
- 寝室のベッドはツインよりダブルベッドの方が人気である。
- 購入した権利は登記され、売買することが可能である。他のリゾートを購入し直すこともでき、その場合の買取価格は100%である。
- 権利は相続可能である。
- 定員人数内であれば何人宿泊しても可。本人がいなくても可能。(例えば親への旅行プレゼントなどにも使える)
5.の考えがややこしいのですが、
新築ホテル50室販売のうちの1室を購入(安価) < 築50年のホテルで1室しか空きがない(高額)
となるようです。
相当な築年数が経過した建物でもリノベーションをすることにより価値が高まるため、日本のように 築浅=高額 ということではないとのことでした。
購入したポイント
購入したポイントは宿泊する際に使うことになりますが、購入したホテル(部屋)以外で使うことが可能です。むしろ、購入したホテルに泊まることの方が少ないとのことでした。
HGVで世界にあるタイムシェアで運営しているホテルにポイントを使って宿泊することが可能となります。世界中のホテルを購入した人々でシェアします。
週末などは人が集まりやすい日程は部屋あたりのポイント単価が高めに設定されています。
また、RICというタイムシェア運営会社同士で提携したシステムがあり、条件付きですがタイムシェア運営会社をまたいだ予約が可能です。
例えばHGVオーナーでありながら、ディズニーバケーションクラブの運営ホテルに宿泊することも可能になります。
その他、ポイントの扱いについて
購入したポイントには1年の有効期限があります。
このポイントは次年度へ繰り越すこともできますが、手数料が必要です。
逆に、翌年度分のポイントの前借りをすることも可能で、この場合の手数料は必要ありません。
手数料がかからない理由は、オーナーがポイントを前借りをすることによって、全体からみると翌年の宿泊枠が空く = HGVとして損はないからだそうです。
見積もりの金額の提示
おおむねここまでの話を1.5時間程かけて説明していただきました。
字だけでは表せない魅力たっぷりな説明をされます。本当に欲しくなりました。
しかし、誰でも想像できると思いますが決してお安くはありません。
具体的な金額は書けませんが、
- 1LDKのツインベッド
- 古いホテル(築50年?)だが、リノベーション済物件
- 1年間に7泊できる(この宿泊数は固定のようです)
以上の条件で出た金額が、約580万円。
これにプラス管理費が毎年必要になります。
そして物価スライド制なので、毎年上がり続けます。日本にいると実感しづらいですが、物価は上昇しているということですね。今回見積対象の物件には、この管理費が毎年17万円必要とのことでした。
この金額で購入してしまえば、世界各地のリゾートが生涯(1年間7泊)使えるという、非常に魅力的なプランなのです。
そして再見積もり
相手(私たち夫婦)の反応を見てでしょうが、息をつく暇もなく今度は値引きの話に移ります。
本来は1年単位での購入が基本であるが、2年単位での購入も可能だそうです。(ただし、管理費は毎年かかります)
最初の見積もりの半額で購入できることになります。
ここで出た見積もり金額が、約290万円。
そして頭金を一部入れると分割払いもできます。
毎月の支出をちょっと抑えるだけで購入できる金額に見えてくるマジックです笑(しかし、この時にはまだ分割金利の話はされません)
頭金は、約38万円。
月々支払い約 4万円を120回。
ここで、金利はだいぶ高そうだなと察しはつきますよね。
しかし永年のリゾート権と、私たち夫婦が気になったのはディズニーバケーションクラブでも使えること。
ヒルトンだけではなく、RICで提携しているタイムシェアであれば利用可能だということと、旅行好きな私たち夫婦にはマッチするんじゃないか、そんな気持ちになっていました。
シンキングタイム
ここで考える時間が必要でしょうと、担当営業が席を外します。
沈黙の私たち笑
完全に演技だとわかりましたが、時々席に戻ってきてはさらなる特典(ポイント)をつけてきます。
最終的には当初のハワイヒルトンの宿泊券と引き換えに2年分のポイントをプレゼントするとのこと。
そう、ここでハワイヒルトンの宿泊券を強い意志でもらうか否かを迫られます。
しかし今回は(当初のとおり)ハワイヒルトンの宿泊券をもらっても行けそうになかったので、正直どうでもよくなっていました笑
そして契約へ
最後はノリで契約をしてしまいました。
決め手はポイントプレゼントとディズニーバケーションクラブを使えること、そしてクーリングオフが可能だったこと。
契約してから、ゆっくり考えようと思いました。
ひとまず膨大な契約書類にサインし、ノベルティを頂いて帰路につきます。
束縛時間は3時間を超え、最後は疲労困憊でしたね。
契約その後
契約内容を再確認
ひとまず冷静になり色々と調べている中で、いくつか説明では聞いていないこともわかってきました。それ以外にも気になったことがいくつかあります。
- 最低宿泊日数があること(自分が購入したリゾートは1週間単位、その他のヒルトンリゾートは3泊以上。その他条件外もあります)
- 予約するごとにかかる手数料(日本円で1万円前後します)
- 会員ランクがあるらしい(説明外):プラチナ、ゴールド、シルバーなど。筆者はプラチナ会員価格でした。
- ネット上の情報ですが、日本人の繁忙期はそれなりに予約が撮りづらくなる様子。
私たち夫婦のライフスタイルを考えると、まとまった休暇を取得できる確証がないことが一番の痛手でもありました。
分割手数料利率を再確認
説明会では具体的な分割手数料を言われなかったですが(もちろん確認しなかった自分もミス)、利率がとにかく高額です(約13%)。
あくまでも娯楽用途です。
一括で買える人でないと、この手の商品は特に損をするかもしれません。
そしてキャンセルへ
という訳で、クーリングオフをすることにしました。
契約書類と同時にもらった「クーリングオフ」の用紙に記載してFAXするだけで終了です。
クレジットカードにも1週間もしないうちに返金がありました。(ドル決済のため、為替の関係上、返金されて得をしました)
まとめ
HGVは人生をハッピーにさせてくれる夢のようなお話で、人生に余裕がある方であれば楽しめるリゾートプランだと思います。
ただ筆者のようなサラリーマンには敷居が高く、金銭面もですがまとまった休暇を取ることができるような身分にならないと難しいと実感しました。
単純な金銭の損得勘定をすると、たぶん得をすることは難しいと思います。
ただ、オーナー専用のリゾートであるが故の優越感、人混みに苦労しなくてよくなる安心感は素晴らしいと思いました。
時間に余裕があるお方であれば、とてもお勧めしたいですね。